ご遺族の気持ち

弁護士 早坂悟郎

先日、アスベスト被災者のご遺族の証人尋問に備えて、ご遺族に、被災者の方の人となりや、生前の様子、闘病の様子など伺いました。

被災者の方は、アスベスト疾患である悪性中皮腫により体調を崩すまでは、特に健康状態に問題は無く、普通に仕事をしていました。

しかし、アスベスト疾患が発症した後は、急激に体調が悪化し、すぐに日常生活が困難になり、入院生活となりました。そして、入院後、みるみる痩せ衰え、あっという間に、亡くなってしまったそうです。

石綿肺の合併症である悪性中皮腫には潜伏期間があり、ときには数十年間、合併症を発症せず生活している場合もあります。もともと発見されにくい疾病であることも影響しているようです。しかし、一悪性中皮腫と度診断されてからの予後は非常に悪く、今回の被災者の方のように、診断されてからわずかな間に死に至る場合があります。

ご遺族の方は、元気だった肉親が、苦しい闘病生活を送るところを目の当たりにし、また、短期間のうちに肉親を失ってしまった辛い気持ち、無念さを、私に語ってくださいました。

このような不幸が二度と起こらないよう、アスベスト建材を規制しなかった国や、危険性を知りつつアスベスト建材を生産し続けた建材メーカーの責任をきちんと認めさせなければならないと思います。

ご遺族の無念なお気持ちを少しでも晴らせるよう、弁護団員として努力していきたいと思います。