2020年9月4日(金)首都圏建設アスベスト東京第2陣訴訟・東京地裁判決についての声明

声     明

2020年9月4日

北海道建設アスベスト訴訟原告団

北海道建設アスベスト訴訟弁護団

1 本日、東京地方裁判所民事第1部(前澤達朗裁判長)は、首都圏建設アスベスト東京第2陣訴訟について、国と建材メーカーの責任を認める判決を言い渡した。 

2 本判決は、建設アスベスト訴訟における判決としては15件目の判決であるが、国の責任については、14回連続して国の規制権限不行使の違法が明確に断じられた。

また、責任の始期については、これまでの多くの高裁・地裁の判断と同じく、1975年以降の責任を認め、さらに責任を負うべき被災者の範囲について、労働者ばかりでなく一人親方や個人事業主に対する責任も認めた。

3 また、本判決は、石綿含有建材の有害性を十分認識しながらその製造販売をし続け、原告らを重篤な疾患に罹患させた建材メーカー5社の責任も明確に認めた。

これで、5つの高裁判決と3つの地裁判決で建材メーカーの責任が認められたことになるから、石綿含有建材の高いシェアを有していたメーカーのアスベスト被害に対する責任は、もはや争う余地がなくなったものと言える。

4 先日、最高裁は、首都圏建設アスベスト神奈川第1陣について、一審原告ら、国およびメーカーらそれぞれの上告受理申立に対して、上告受理・不受理の決定をするとともに、本年10月22日に口頭弁論を開くことを当事者に通知した。上告受理となった事項から考えて、国については、一人親方等に対する責任を含めて、規制権限不行使の責任が認められることはほぼ確実な状況である。

    また、原審でメーカーの責任が否定された原告について上告受理されていることから、メーカーとの関係でも、最高裁が、原審よりも救済される原告の範囲を広げる判断をする可能性も高くなっている。

国及び建材メーカーらは、このような最高裁判決をめぐる情勢もふまえて、本判決を真摯に受け止め、控訴することなく、速やかに建設アスベスト訴訟を解決するとともに、石綿被害者補償基金制度を創設するなど、石綿被害の全面救済を図るべきである。また、国は、解体・改修工事等、建設現場でのアスベスト飛散を完全に防止するために万全の対策を行い、将来の被害発生を防止すべきである。

5 北海道建設アスベスト訴訟原告団、弁護団は、全国の建設アスベスト訴訟をはじめとするアスベスト被害に関する訴訟との連帯を一層強め、すべてのアスベスト被害に対する国とメーカーの責任を一層明確にし、アスベスト被害が全面的に救済されるよう全力を尽くすことをここに決意するものである。                            

 以 上